皆さんこんにちは!
代々木上原のパーソナルジム『Bulky Lab (バルキーラボ)』トレーナーのMasashiです。
暖かくなってきて、肌の露出が増える季節になってきましたね。これから夏に向けてダイエットを始める方も多いのではないでしょうか?
ダイエットで痩せるための前提条件として、「消費カロリー」が「摂取カロリー」を上回る必要があります。
しかし、自分がどれだけのカロリーを摂取して良いのかわからない方がほとんどだと思います。私もダイエット始めたての時は、自分のダイエットを効率的に進められる摂取カロリーを把握しておらず、食事量を極端に減らしたりなど、やみくもにキツいダイエットをしておりました…。(しかもさほど痩せませんでした。)
本ブログでは、これからダイエットを始める方向けに「ダイエット推奨摂取カロリー」の計算方法を順序立てて紹介いたします!
また、皆さんが具体的なイメージを持ちやすいように以下の年齢、身長、体重の男性(タナカさん)と女性(サトウさん)を想定してダイエット推奨摂取カロリーを算出します。
男性【タナカさん 年齢:35歳 身長:170cm 体重:70kg】
女性【サトウさん 年齢:35歳 身長:155cm 体重:58kg】
基礎代謝を計算
最初のステップとして、まずは「基礎代謝」を割り出します。
基礎代謝とは、皆さんが何もしなくても勝手に消費されるカロリーのことです。
今回の基礎代謝の計算にあたり、国立健康・栄養研究所の式¹⁾を使用します。では、早速計算してまいりましょう!
国立健康・栄養研究所の式
【{(0.1238+(0.0481×体重kg)+(0.0234×身長cm)-(0.0138×年齢)-性別*1)}×1000/4.186】
注)*1;男性=0.5473×1、女性=0.5473×2
この式にタナカさんとサトウさんの体重と身長、年齢を当てはめてみるとそれぞれの基礎代謝は以下のようになります。
タナカさん【{0.1238+(0.0481×70kg)+(0.0234×170cm)-(0.0138×35歳)-0.5473×1}×1,000/4.186=1,538.1kcal】
サトウさん【{0.1238+(0.0481×58kg)+(0.0234×155cm)-(0.0138×35歳)-0.5473×2}×1,000/4.186=1,185.6kcal】
これで2人のおおよその基礎代謝を割り出せました!
消費カロリーを計算
次のステップとしては、「消費カロリー」を割り出しましょう!
先に算出した「基礎代謝」は何もしなくても勝手に消費されるカロリーですが、多くの人は1日を通して何かしら活動しているはずなので、基礎代謝以上に1日の消費カロリーは多くなります。
そしてその活動量は人によって異なってくるため、「消費カロリー」の多さは人それぞれです。
そのため、その人の活動量に応じた消費カロリーを算出する必要があります。
今回の消費カロリーの計算には、厚生労働省が発表している日本人の食事摂取基準²⁾で用いられている3段階の身体活動レベルを使用しております。各々の活動内容に適した係数を基礎代謝にかけていきましょう。
活動量 | 日常生活の内容 | ||
【低い】 係数 ×1.50 |
生活の大部分が座位で、静的な活動が中心の場合 | ||
【普通】 係数 ×1.75 |
座位中心の仕事だが、 職場内での移動や立位での作業・接客等、通勤・買い物での歩行、家事、軽いスポーツ、のいずれかを含む場合 |
||
【高い】 係数 ×2.00 |
移動や立位の多い仕事への従事者 あるいは、スポーツ等余暇における活発な運動習慣を持っている場合 |
タナカさんとサトウさんの身体活動レベルが「ふつう」とすると、2人の1日の消費カロリーは以下のようになります。
タナカさん 【1,538.1kcal×1.75=2,691.6kcal】
サトウさん 【1,185.6kcal×1.75=2,074.8kcal】
これで2人の消費カロリーを割り出せました!
ダイエット推奨摂取カロリーを計算
最後にダイエットを効率的に進めるための、1日の総摂取カロリーの目安を割り出します。
総摂取カロリーはただやみくもに、先に算出した消費カロリーより低く設定して良いわけではありません。
摂取カロリーを過剰に低く設定してしまうと、体脂肪と共に筋肉も大幅に減ってしまうリスクがあります!筋肉は身体の代謝を保つ上で重要なので、減ってしまうとダイエットを効率的に進められません。
筋肉を極力減らさずにダイエットを進めていくためには「1か月で体重の4%」を落とすことを上限として総摂取カロリーを設定することを推奨いたします。
なぜなら、この体重の4%という数値はアメリカスポーツ医学会のガイドライン³⁾で紹介されている「徐脂肪体重(≒筋肉)を減らさずに体重を落とすことができる範囲」の最大値とされているからです。
タナカさんとサトウさんのそれぞれの体重の4%を割り出すと、二人が1か月で減らしていきたい体重は以下のようになります。
タナカさん 【70kg/4%=2.8kg】
サトウさん 【58kg/4%=2.32kg】
減らす目標体重がわかったところで、具体的にカロリー設定はどうすれば良いのか?
ここで指標にしていきたい数値が7,000kcalです!
この7,000kcalという数値は、体脂肪(≒体重)を1kg減らすために必要なおおよそのエネルギーを指します。つまり体重を1kg減らすためには、カロリー収支をマイナス約7,000kcalにすれば良いということになります。
ということは、タナカさんとサトウさんの場合、1か月で減らしていきたい摂取カロリーはそれぞれ以下のようになります。
タナカさん 【2.8kg×7,000kcal=19,600kcal】
サトウさん 【2.32kg×7,000kcal=16,240kcal】
これを1日ごとに換算すると、以下のようになります。
タナカさん 【19,600kcal/30日=653.3kcal】
サトウさん 【16,240kcal/30日=541.3kcal】
上記のカロリーが、それぞれ1日の中で「消費カロリー」から減らしていきたいカロリーになります!
ということは、2人の1日の「ダイエット推奨摂取カロリー」は以下のようになります。
タナカさん 【2,691.6kcal-653.3kcal=2,038.3kcal】
サトウさん 【2,074.8kcal-541.3kcal=1,533.5kcal】
上記の数値が、タナカさんとサトウさんそれぞれが効率良くダイエットを進めるうえでの推奨摂取カロリーとなります。
まとめ
以上が、ダイエットにおける推奨摂取カロリーの算出方法になります。
ただ食べる量を減らしてカロリーを抑えるだけでは、中々ダイエットの成果を出すことは難しいです。
むしろ、極端なカロリー制限によって代謝が落ちたり、栄養不足で健康を害するリスクもあります。何より無理なダイエットは続かないので、自分に合った適切なカロリーはしっかりと摂取して健康的にダイエットライフを送ってまいりましょう!
ダイエットでは、大前提として今回紹介した摂取カロリーの範囲内で食事をすることが重要になりますが、同時にその摂取カロリーの内容も重要です。
摂取カロリーの内容とは主に「タンパク質」「脂質」「糖質」の3大栄養素を指します。
では、その3大栄養素をそれぞれどのようなバランスで取り入れていけば良いのか、それについてはまた別のブログで紹介いたします!
最後まで読んでいただきありがとうございました。
3) American College of Sports Medicine. American College of Sports Medicine position stand.
Progression models in resistance training for healthy adults. Med Sci Sports Exerc.
2009:41(3):687-708. doi:10.1249/MSS.0b013e3181915670